翻訳かあさん、崖っぷちを走る

(更新お休み中)3歳保育園児と8歳小学生を育てながら働くフリーランス翻訳者のはなし。

中の人(品質管理担当者)の地味な仕事を振り返る

今の小学生って毎日宿題が出るんですね。

音読以外のプリント類はできれば学童でやってきてくれないかなあ、と仕事後の疲れた頭で宿題に付き合いながらぼんやり考える日々です。なぜか頑なに家でやりたがる我が家の新一年生。

人生の基本を学びだしたようです

さて、最近は初めましてのPM(プロジェクトマネージャー)さんから依頼を受けることや、初めてのクライアントさんの案件を依頼されることが続き、自分はこういうときどうしていたんだっけな・・・・・・と、翻訳会社で品質管理担当者をやっていた時代を思い出す機会が増えています。

 

きょうは当時、翻訳を外注するときに気をつけていたことや、新人さんトレーニングで話していたことを、思い出せる限り書いてみようと思います。

 

「中の人」ってこんなことをしているんだな、という参考になるでしょうか。

 

ちなみに担当は英語から日本語への翻訳案件で、ほとんどがCATツールを使うものでした。

 

基本

  • 翻訳者に良い成果物を納めてもらうには、「翻訳以外のことに極力悩まず、翻訳作業に集中してもらうこと」がいちばんである。

翻訳発注の準備

  • クライアントから受注したらまずPMと連携を取りつつどのような案件なのか確認する(文書の内容と用途、品質の要求レベル、対象読者、受注価格、CATツールの指定の有無、マッチレート、過去の経緯、等々)。あとで作業指示書に落とし込むことを考えながら。
  • 参考資料を確認する(スタイルガイド、用語集、翻訳メモリ、等々)。ないと困るものがあったら営業担当を通してクライアントに請求する。
  • 作業方針を考える(文体や表記、資料やツールの使い方、固有名詞やUIの処理方法、不明点の申し送り方法、等々)。あらかじめ決めておかないと後から質問が来てやり取りの時間がムダになる。
  • 作業指示書を作る。初めて作業する人でも迷わず手を動かせるように書く。外に出す前に先輩に読んでもらおう。
  • 作業指示書を作るのは「予想できる品質の成果物」を納品してもらうため。想定していないことが発生するリスクを極力減らして品質を安定させる。
  • 翻訳者に渡す資料を準備する。クライアントから受け取ったものを何も考えずにそのまま全部渡さないように。翻訳時にどの程度役立つのか考えて取捨選択を。
  • 「参考までに」と言って渡しても、絶対に読んでもらえない。そんなことを言うくらいなら渡さないほうがいい。
  • 何十ページもある資料をそのまま渡すな。要点を別紙にまとめろ。
  • 英日の翻訳者だからって英語の長大な資料をそのまま渡すな。資料に従ってほしければ要点を目立たせるか、日本語で別紙にまとめろ。
  • 資料は実作業のときに使いやすい形式で渡せ。たとえばExcelの用語集はCATツール用の用語ベースに変換する。
  • 適切な作業指示書を作って過不足のない資料を渡せるかどうかに、翻訳の品質は大きく左右される。

打診時

  • 「いつもの翻訳者」に機械的に打診しないで。内容(得意分野)や品質要求に合った人を選ぶ。

  • いつも同じ単価で発注しなければならないわけではない。難易度・手間によっては追加を検討する。

  • 極小案件を「ワード単価×ワード数」でやるのは翻訳者にとって割りに合わないことはおぼえておく。
  • たとえ数ワードの作業だったとしても絶対に無償でやらせない。信用・評判はすぐに落ちる。
  • 打診のときにはできる限り多くの情報を出す。作業にかかる時間を翻訳者がなるべく正確に見積もれるように。
  • 打診メールに書く納期は時刻まではっきりと。「明日中」のような書き方は危険。
  • 一斉打診メールをむやみに使うな。

翻訳作業中

  • 依頼が決まったら、予告した開始時刻を死守する。
  • 分納させるのは確実に品質に悪影響がある。
  • 作業中の問い合わせにはできるだけ早く回答。クライアントに確認が必要な場合など、すぐに答えられないときも「とりあえずどうしてほしいか」を返信。
  • 作業中の問い合わせで、他の作業者にも周知が必要なものはすみやかに連絡。さかのぼって多くの修正が必要になる場合はチェック段階で対応することを検討。
  • 納品されたら不備がないか確認して受領連絡をすみやかに。

フィードバック時

  • フィードバックを送るときには翻訳者のミスなのか、客先の好みの修正なのかをはっきりさせて、今後の案件に適用してほしいものだけを伝える。
  • チェック段階で改悪されてしまっている場合もあるのでフィードバックする前に品質管理担当者が自分でしっかりチェックする。
  • エラーを指摘されると翻訳者は落ち込むもの。人間だもの。間違いばかり挙げるのではなく、まずは対応してくれたことへの感謝を伝える

案件終了後

  • 作業全体を振り返りながら指示書を読み返し、次回のためにアップデートしておく。

 

自分も100%できていたわけでは到底ないし、特に単価関連はなかなか理想通りにはいかないものですが、このようなことを考えながら日々翻訳者さんに依頼していました。

 

仕様を確認して翻訳者さん向けの指示書を作る作業は好きでした。翻訳会社で品質管理担当者として働いた経験はフリーランス翻訳者としてやっていく上でとても貴重な財産になっています。翻訳者を目指している方は、一度「中の人」をやってみるのも良いのではないかと。得るものは多いと思います。上記のとおり、すごく地味~な仕事ですけどね。

たまには平日の夜に子どもを置いて出かけたい

2か月振りの投稿です。みなさんお元気ですか。

 

上の子の卒園・小学校入学

下の子のクラス替えからの登園しぶり(慣れるのに時間がかかっているようです)

誕生日やら家庭訪問やら懇談会やらのイベント

相変わらずの夜泣き対応

相変わらずの翻訳の仕事

と、大忙しの日々でした。いや、大忙しの日々です。

 

そんな中、メンバーに名を連ねている(といっても入会資格や参加者リストがあるわけではないですが)村上春樹読書会がかなり久しぶりに開催されるというので参加してきました。子守りは夫。食事も風呂も寝かしつけも1人で完璧にできる人だから遠慮なく押しつけ、いやお任せできます。

 

この読書会はもともと居酒屋の別館で月に1回開催されていて、地域の人がふらっと来られるローカルな感じが特色なので、オンラインには移行しなかったんですね。

コロナ禍でも何度か開催されていたようなのですが、私は出産後の期間と重なってほとんど参加できていませんでした。

 

この数か月はそもそも開催が見送られていたのですが、4月28日に今年初めて開催されるというので久しぶりに参加してきました。

会場の居酒屋別館は、コロナ禍の間に小さな寄席になっていました。

 

しょっちゅう落語やってます。まだ聞きにいったことはない。

今回の課題本は「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」。

(このあと内容に触れます。)

発売されてからもう9年も経ってるんですね。

これを読むとフィンランドに行きたくなります。行ったことはありません。

ラオスにいったい何があるというんですか?」に春樹さんのフィンランド旅行記が載っているけれど、この旅行記を読むより「つくる」を読んだ方がよっぽど、魅力的な街や人々の様子がありありと目の前に浮かんできます。

 

しかし「つくる」を読んでも名古屋に行きたいとは全然思えませんね(あくまで「これを読んでも」です。レゴランド行きたい)。この扱いの違いは何なんだ。名古屋出身の方のご意見を聞いてみたいところです。

 

この読書会は50回を超えて開催されているので、「つくる」が課題本になるのは3回目だったと思うのですが、前回(私は不参加)「シロを殺したのはつくるで、沙羅はこの事件を追っている刑事。一緒にいる中年男性は上司」という説が出たらしくて笑ってしまいました。

 

私はあえて犯人を選ぶ(?)ならクロかなあ。自分も心身をやられてしまう前にシロから離れたかったという動機もあるし、クロなら合い鍵を持っていてもおかしくないし。

 

・・・・・・という、本筋とは離れた犯人さがしで盛り上がれるのも読書会の楽しみでありましょう。

 

100万年ぶりくらいに画面越しではない直接対面形式の読書会に参加して、やはり仲間たちと顔を合わせて1つの物語についてあーだこーだと言い合うのは楽しいものだ。これにかわる喜びはない。というのを再確認しました。

 

オンラインのミステリー読書会も細々と参加していまして、来月はルシアン・ネイハムの「シャドー81」。村上春樹は次回6月に「女のいない男たち」。連日の夜泣きに参ってる場合じゃない、読んでおかないと・・・・・・。

リツイートキャンペーンに当選しました

2月某日にアスク出版さんの「シャーロック・ホームズで学ぶ英文法」のプレゼント企画(Twitterリツイートキャンペーン)に応募して、見事当選しました。600人くらいの中から10人が選ばれたようです。

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新しい本には猫氏のにおいチェックが入る

面白そうだなあ、と思って軽い気持ちで応募したけど、当たったということはもっとしっかり英文法を勉強しろという神様からの(信じてないけど)メッセージだね。頑張ります。そういえば先日、我が家の1歳児とアンパンマンを観ていたら「シャーロくん」なる見慣れないキャラクターが出てきて何者だろうと思ったら名探偵でした。

 

柴田先生の訳だけ先に全部読んで満足しちゃいそうな未来が見えなくもないですが、いやいや、お話を味わいながらしっかり勉強したいと思います。「翻訳のポイント」のセクションが楽しみ。ああ、のっけから私の苦手な "engage" が見えるよ。ポイントはそっちじゃないみたいだけど。

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思えばちょくちょく、この手のリツイートキャンペーンに当選しております。現Twitterアカウントでは5年ほどの間に

と思い出せる限り4回当選していますね。

懸賞マニアでもなく、手当たり次第応募しているわけでもなく、ツイートが目に入ってきて、本当に「いいな」と思ったものだけ応募しているのですが。何か当選させやすい要素があるんでしょうかね。

 

しょっちゅうツイートする割りに人畜無害だから?

当選したら喜んでホイホイ宣伝してくれそうな単純そうな人だから?

・・・・・・いや、おそらく無作為に選ばれているだけだろう。

 

とにかく、くれるというなら有り難くもらっておくのだ。ありがとうございます。

 

当選つながりで思い出しましたが、15年ほど前、東京から静岡までジュビロエスパルスを観に行って(昔ジュビロ好きだったんですよ。中山名波服部福西の時代ね)、福引きをしたら金賞の高級サッカーボールが当たっちゃって、まわりの少年たちに「すげーーー!!いいなあーーー!!」と歓声をいただきながら持って帰り、扱いに困った記憶があります。調べたら確か8000円くらいするやつだったんだけど、近所の少年にあげたわ。

 

しかし、どうせ当たるなら宝くじに当たりたい・・・・・・。残念ながら、そっちはサッパリです。100円しか当たったことない。

確定申告終わりました

あけましておめでとうございます、と言わなければいけないレベルでお久しぶりの投稿です。

毎日寒くて猫(春で9歳なのでお年寄り)がぜんぜん動かず、丸くなっている写真しか撮れません。

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最近の定番姿勢

1月、2月は子どもたちの保育園でコロナ陽性者がたびたび出て、我が子のクラスは短期間に2回休みになりました。

以前は陽性者が1人でも出れば全園クローズだったのですが、陽性者が出る頻度があまりに高くなり、そのたびに全クラスを閉めていると影響が大きすぎるからか、最近では該当のクラスだけが休みになります。

1月後半と比べると落ち着いてきましたが、まだまだ予断を許しません。いつ「明日から休園です!」と言われてもいいように、仕事はゆるめに請けています。お迎え時間も一時的に前より1時間早くしています。気休め程度ですが、なるべく早めに寝るようにして、コロナ以外も含めて病気にならないように。今、小児科に連れて行くのも怖いですからね。

 

そんな落ち着かない日々ですが、2月16日に確定申告を無事に終えました。

とはいえ、簿記の2級を大昔に取得しているので多少の知識はあり、借方と貸方の残高が合うことに無上の喜びを見出すタイプなので(といっても記帳は会計ソフトに入力するだけだから、実際は借方と貸方をしょっちゅうにらんでいるわけではないですけどね)、日々の記帳と確定申告の作業はまったく苦ではありません。

 

確定申告を楽に済ませるには

  • 収入は発生した日のうちに入力
  • 費用は発生した日のうちに入力
  • ついでに医療費もその日のうちに入力(ひどく具合が悪い場合を除く)

これさえやっておけばたいしたことはありません。

 

それができない?そ、そうですか。たいへん失礼いたしました。

私は上記の3点がまったく苦にならない、むしろ楽しいので、できない人の気持ちがわかりません(嫌なヤツ)。

 

取引先は日本の翻訳会社が中心で、日本円でしか取引していないので、そもそも記帳がすこぶる楽です。海外からの依頼もあるにはあるのですが、それもたまたま円取引です。そして翻訳業は仕入もないですしね。

夫(同業)が海外送金手数料だの為替差損益だのと格闘しているのを見ると、外貨の取引はたいへんそうだな~と思ってしまいますね。

 

さて、一昨年にマイナンバーカードを作ったので、昨年は初めてマイナンバーカードを使ってFreee(会計ソフト)から直接確定申告をしよう!と思ったのですが、なぜかエラー続きでうまくいかず、途中で面倒になって、それまでと同じIDパスワード方式で提出したのでした。

 

今年は無事にマイナンバーカードを使ってFreeeから提出できました(多少手こずったけどね。パスワードの種類ありすぎだろ)。

昨年、夫はマイナンバーカードでの提出に成功したのですが、「提出が受け付けられた証拠」になるようなものがなく(少なくとも本人は見つからないと言っていた)、外部に確定申告書を提出しなければならないときに困ったのでした。

毎年、役所(保育園申込み・更新のため)と健康保険組合に提出しなければなりません。で、「税務署に提出済みであることがわかるように」という条件が付いているのです(そりゃそうですよね)。

 

IDパスワード方式では、送信日時と受付番号が上部に印字された申告書類をダウンロードできたので、提出済みであることがすぐにわかるのですが、Freee経由で送った夫はそのようなものは受け取らなかったと主張していました。まさかそんなはずはない、絶対にどこかから入手できるはずだから探せ、と言ったのですが、結局よくわからないままうやむやになりました。

 

保育園に提出する書類は、確定申告書をあきらめて開業届(こちらは税務署の判が押してある)を出すことで切り抜けたのでした。健保のほうはどうしたのか、おぼえておりません・・・・・・。

 

そんな記憶があったので、今回自分もFreee経由で提出するにあたって「送信したことの証拠になるものを確実にゲットしなければ!」と思っていたのですが、なんてことはない、ちゃんとe-Taxソフトから入手できました。普通に考えればそうですよね。1年前の夫、なんだったんだ?ちゃんと調べたのか?

 

しかし探すのに少しだけ手間取ったので、備忘のために記録しておきます。たぶん来年ここに見に来ます。

 

e-Taxソフト(WEB版)を開く

→送信結果・お知らせ

→メッセージボックス一覧

→「所得税及び復興特別所得税」の通知

→「帳票表示」から申告書類をダウンロードしたら、ちゃんと上部に受付日時と番号が印字されていました

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ここからダウンロードできるからねー!今年はちゃんとやってねー!!(家庭内通信)

実に久しぶりの出版翻訳講座でした

明日はクリスマスですね。久しぶりの更新です。いつの間にか3か月以上空いてしまいました。継続は難しい。

 

10月から12月の3か月間、月に1回の頻度で開催される、芹澤恵先生の「ミステリー翻訳入門」のオンライン講座(朝日カルチャー)を受講しました。

 

産後に仕事復帰してからというもの、仕事では「体力的に無理をしない・納品に穴を開けない」ことを最優先にしていたので、「やり慣れているもの」「工数が読めるもの」「予想外の事態が発生しないもの」を中心に請けることになります。

 

自分で選択したことなので不満を感じる筋合いではないのですが、どうしても日々の仕事がマンネリ化してしまって、ぬるま湯に浸かったような状態になっていたんですね(もちろん、1つ1つの仕事は真剣にやっておるのですが)。

 

ただしここでもっときつい仕事に挑戦しようというほどの気力・体力がまだ出てきませんでした。無理をしたあげくに、1歳児が病気になって仕事に穴を開けてしまったら・・・・・・という恐怖がまだまだつきまとっています(怖がりなんですよね)。

 

そのようなわけで、仕事ではまだリスクを回避したいけれど、仕事と違う分野の翻訳から刺激を受けたくて、あまり頻度の高くないオンライン講座がないかと探していたのですが、20年前(!)にフェロー・アカデミーでも受講していた芹澤先生の講座があったのでえいやっと申し込みました。

 

開講前に先生にご挨拶の連絡をしたところ、初学者向けだから物足りないかもよ? とおっしゃっていたのですが、フタを開けてみたら「この人、きっともうプロでしょ?」という方が何人もいました。物足りないなんていうことはまったくなく、皆さんの訳文を見て感心することばかりでしたね。盗もうとおもう箇所でマーカーだらけになりました。

 

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全3回で短編を2作訳しました

久しぶりにフィクションの翻訳をやって、ふだんいかに原文を「なんとなく」「さらっと」しか読んでいないのか、よくわかりました。とにかく自分の訳文には配慮が行き届いていないし、レビュアーやクライアントに「エラーとみなされる」ことを恐れて、無難な訳でまとめてしまう傾向が強いことに気付かされました。要するに、つまらない訳、ってことですね。産業翻訳でどこまで振り切れるかは小説とはまた加減が異なりますが、読者の目を意識することを忘れがちになっていることを深く反省しました。

 

しかし、15、6年ぶり(フェローでは芹澤先生の後にも越前先生や布施先生のクラスに通ったのです)に出版翻訳の講座に参加して、おそるおそる皆さんの訳文を開いたり、自分の訳文が公開処刑されるときに胃がキリキリしたり、終わった後にしばらく放心状態になったりするのを体験して、全体としてはほんとうに楽しかったですね。仕事では目の前の作業を終わらせて生活資金を稼ぐことに集中してしまいますが、仕事ではなくしかもフィクションを訳すことで、翻訳の楽しさにどっぷりと浸かることができました。

 

「もう少し続けよう!」と思ったのに、来期は時間帯が変わることになって子供の習い事の時間とかぶってしまい、涙を流しているところです・・・・・・。11時半から13時って、子供のごはんもあるし、絶対むりやろ・・・・・・。

フリーランス翻訳者の妊娠・出産・仕事復帰について話す会を開催しました

2人目の子どもを産むとき、一番不安だったのは「産休明け(産後3か月)で仕事復帰って、そんなこと本当にできるのか」でした。

 

「1年育休を取って、仕事復帰」なら、会社員の人たちの例をいくらでも聞けるし、なんたって5年前に自分がやっているから分かります。でも気軽に話を聞けるようなリアルの友達で、フリーランスで子育てをしている人って少ないし、さらに「産休明けで復帰した人」ってかなりレアですよね。私は疑問・不安を解消するためにTwitterで何度か質問したのですが、そのたびに数人のフリーランス翻訳者さんたちが答えてくださってたいへんありがたかったです。

 

自分が情報集めに苦労したので、このブログを始めて、いつかどこかで誰かの役に立てば良いな、と思っていたのですが、ブログを読んでくださった方から質問をいただいたことをきっかけに、フリーランス翻訳者が妊娠・出産・仕事復帰について話し合うオンライン飲み会的なものを開催しました。

 

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ドラえもんを読むふりをしてみた1歳児

参加者は5人で、私を含めた2人が現役子育て中、3人が「これから子どもがほしいかも or 出産予定がある」という方たちでした。

 

  • つわりが楽になる仕事の姿勢(イスはきつい!)
  • 取引先に出産予定を連絡するタイミング
  • 出産前、いつまで仕事するか
  • いつから復帰するか
  • 出産後の体調はどうか
  • 保育園にいつから預けるか
  • フリーランスが入園を申し込むときに注意すること
  • 実際、産後はどれくらい仕事ができるのか

 

などなど、盛りだくさんの内容で1.5時間ほど楽しくお話しました。

ほぼ初対面の方々だったのですが、共通項があると話が弾みますね。

出産前日まで仕事をして、出産翌日から仕事を再開したという強者の話をSNSで見かけることがありますが、実際それをやった方の体験談が聞けて貴重でした・・・・・・(万人がマネできるものではないと思いますが)。

 

しかし、こう言っては身も蓋もないですけど、あらゆる質問に対する答えが

  • そのときの自分の年齢や、もともとの体力による
  • パートナー、親など、自分以外の大人をどれほどあてにできるかによる
  • 子どもの個性による(長く眠る子か、夜泣きをする子か、一度寝たら起きない子か、割りと1人で遊べる子か、母子分離がどれほど平気か、などなど)

という前置きつきになってしまうんですよね。本人の努力や、綿密な計画でどうにかしようとするのには限界がある、ということです。むしろどうにもならないと言った方が近いかもしれない。

 

あくまで自分の数少ない経験からしか語れないので、有益な情報を出せたとは言いがたいのですが、悩みや不安を口に出すことで、参加した方の心が少しでも軽くなっていたらうれしいです。

 

次の機会があったら参加したい、とDMをくださった方も何人かいました。今はイベントなどで知り合って同じ境遇の友達を作ることが難しいので、こうしたオンラインの集まりは需要がありそうですね。仕事の谷間にでも、また開催できればいいのですが。

自転車の鍵を抜き忘れる問題

上の子が保育園に入って約5年。

ずっと普通の自転車で保育園の送迎をしていましたが、子どもが2人になったら電動アシスト自転車を買おうと思っていました。

そして2人目を妊娠中の昨年2月、ついに電アシを買いました。後ろ側のチャイルドシートが最初からついているモデルです(ブリヂストンBikke)。ただし、下の子が0歳児のうちはまだ乗せられませんので、しばらくは保育園の送迎には使えませんでした。

今年の5月に下の子が1歳になったので、満を持して前側に2つ目のチャイルドシートを付け、3人乗りにしました。

 

しかし、ここで1つ問題が発生しました。

子どもを2人乗せるようになってから、自転車の鍵を抜くのを忘れてしまうんです。

 

もともと乗り物が苦手ですし、最初はバランスが取りにくくて怖くて、ビクビクしていました。6歳児はともかく、小さな1歳の子を乗せたまま倒れたら大惨事になりかねません。

おそらく、不安定なフロントシートから1歳の小さな子を無事に下ろす、絶対に転倒しない、生かしたまま家に帰す、ということに神経を集中しすぎて、鍵のことを忘れてしまうんだと思います。

 

さて、どうしよう。

私はよく家の中で「あれ?鍵どこに入れたっけ?」「スマホどこに置いたっけ?」ということがあるので、数か月前にTwitterで相互フォローの方に教えていただいた「Tile」を自転車の鍵と自宅の鍵に付けてみたのですが(家の中で鍵を見失っても、ちゃんと音を出して見つけられるんだよ!逆も可)、Tileの有料プランにアップグレードすると、Tile(=鍵)とスマホの位置が離れた場合にスマホに通知が来るということなので、1か月お試し無料で使ってみました。

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「Tile」を家の鍵と自転車の鍵に付けています

結果。

残念ながら、一定の距離(100mくらい?かな?)がないと通知が来ないようで、「マンションの自転車置き場 ~ 家の中」くらいの短い距離では通知が来ませんでした……。表門から玄関ドアまで歩いて5分みたいな大邸宅にお住まいの方なら良いかもしれません。

 

「ショッピングモールの自転車置き場で鍵を付けっぱなしにしたまま、買い物にいってしまった」みたいなときには役に立ちそうなので有料プランは続けています。

 

仕方がない。最新テクノロジーに頼れないならアナログでいくしかない。

ということで、趣味の手芸を生かしてブレスレット代わりのシュシュをつくり、100円ショップで買った鈴を付けてみました。

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手作り感満載のアイテム

これを自転車のハンドルに付けておいて、

  • 自転車に鍵を差し込んだら、シュシュを腕に巻く
  • 自転車を降りて鍵を取ったら、シュシュを外してハンドルに戻す

ということにしました。

シュシュを腕に巻いたまま自転車を離れたら、腕で鈴がチリンチリン鳴るので、さすがに気付くであろうと。

 

このようにしてからは一応、鍵を外すのを忘れずに済んでいます。

一度6歳の子どもに「自分がシュシュを付けたい!!」と言って奪われたまま乗ったら、そのときは見事に忘れました。

あとは自分がつくったこのルールをどこまで守れるかですね。

「面倒だからいいや~」と思って腕に巻くのをおろそかにするようになったらもうダメだと思うので、そうならないようにがんばります。

 

というわけで、何が言いたかったかというと、もっとオシャレでハイテクな方法がありましたら教えてください。