翻訳かあさん、崖っぷちを走る

(更新お休み中)3歳保育園児と8歳小学生を育てながら働くフリーランス翻訳者のはなし。

実に久しぶりの出版翻訳講座でした

明日はクリスマスですね。久しぶりの更新です。いつの間にか3か月以上空いてしまいました。継続は難しい。

 

10月から12月の3か月間、月に1回の頻度で開催される、芹澤恵先生の「ミステリー翻訳入門」のオンライン講座(朝日カルチャー)を受講しました。

 

産後に仕事復帰してからというもの、仕事では「体力的に無理をしない・納品に穴を開けない」ことを最優先にしていたので、「やり慣れているもの」「工数が読めるもの」「予想外の事態が発生しないもの」を中心に請けることになります。

 

自分で選択したことなので不満を感じる筋合いではないのですが、どうしても日々の仕事がマンネリ化してしまって、ぬるま湯に浸かったような状態になっていたんですね(もちろん、1つ1つの仕事は真剣にやっておるのですが)。

 

ただしここでもっときつい仕事に挑戦しようというほどの気力・体力がまだ出てきませんでした。無理をしたあげくに、1歳児が病気になって仕事に穴を開けてしまったら・・・・・・という恐怖がまだまだつきまとっています(怖がりなんですよね)。

 

そのようなわけで、仕事ではまだリスクを回避したいけれど、仕事と違う分野の翻訳から刺激を受けたくて、あまり頻度の高くないオンライン講座がないかと探していたのですが、20年前(!)にフェロー・アカデミーでも受講していた芹澤先生の講座があったのでえいやっと申し込みました。

 

開講前に先生にご挨拶の連絡をしたところ、初学者向けだから物足りないかもよ? とおっしゃっていたのですが、フタを開けてみたら「この人、きっともうプロでしょ?」という方が何人もいました。物足りないなんていうことはまったくなく、皆さんの訳文を見て感心することばかりでしたね。盗もうとおもう箇所でマーカーだらけになりました。

 

f:id:sasa3_neko:20211224101953j:plain

全3回で短編を2作訳しました

久しぶりにフィクションの翻訳をやって、ふだんいかに原文を「なんとなく」「さらっと」しか読んでいないのか、よくわかりました。とにかく自分の訳文には配慮が行き届いていないし、レビュアーやクライアントに「エラーとみなされる」ことを恐れて、無難な訳でまとめてしまう傾向が強いことに気付かされました。要するに、つまらない訳、ってことですね。産業翻訳でどこまで振り切れるかは小説とはまた加減が異なりますが、読者の目を意識することを忘れがちになっていることを深く反省しました。

 

しかし、15、6年ぶり(フェローでは芹澤先生の後にも越前先生や布施先生のクラスに通ったのです)に出版翻訳の講座に参加して、おそるおそる皆さんの訳文を開いたり、自分の訳文が公開処刑されるときに胃がキリキリしたり、終わった後にしばらく放心状態になったりするのを体験して、全体としてはほんとうに楽しかったですね。仕事では目の前の作業を終わらせて生活資金を稼ぐことに集中してしまいますが、仕事ではなくしかもフィクションを訳すことで、翻訳の楽しさにどっぷりと浸かることができました。

 

「もう少し続けよう!」と思ったのに、来期は時間帯が変わることになって子供の習い事の時間とかぶってしまい、涙を流しているところです・・・・・・。11時半から13時って、子供のごはんもあるし、絶対むりやろ・・・・・・。